【世界史論述】なぜ宋の人は本を読んだのか??
今回の問題はコチラ。
宋代になると、木版印刷による印刷物が普及した。これは、当時の中国社会のどのような需要に応ずるものであったか。50字以内で説明せよ。
今回は、「3つのC」のうち、次のものを使います。
Causal relationship(因果関係)
Change(変化)
問題文には「宋代になると」と書いてあるので、宋代に何か「変化」が起こったのです。コレがわかるかどうかが、正解できるかの分かれ目です。
まず、「印刷物が普及した」ことについて考えます。
「印刷物」は、単純に考えて、「書物」ですね。
書物が普及した
=
多くの人が書物を読むようになった
=
多くの人が書物を読む必要があった
と考えることができます。
そして、当時の「書物」とは、小説やマンガなどではなく、儒学や詩文に関するものです。
それでは、なぜ書物を読む必要があったのか。
ここまで来れば、思いつく人もいるかもしれませんね。
科挙に合格するためです。
宋代には「殿試」(科挙の最終試験で皇帝自らが試験管を務めること)が定められ、一層科挙が盛んになりました。
(宋代の科挙改革については、コチラの記事をご覧ください。)
要は「勉強すれば、エリートになれる!」という風潮が高まったのです。
そのため、科挙受験者の中心の士大夫階層が、必死に書物で勉強をするようになり、書物の需要が高まったのです。
解答例は以下のようになります。
今回はここまで。