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【世界史論述】東大過去問#02

今回の問題はコチラ。

 

政治的権力者としてのカリフの実態は初期と後代で異なっていた。7世紀前半と11世紀後半を比較し、カリフの相違点を3つあげて120字程度で説明せよ。
(東大、一部改題)

 

なかなか難しいですね。今回は「3つのC」のうち、次のものを使います

 


Contrast(対比)

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まず、「7世紀前半」と「11世紀後半」の王朝を特定しましょう。

「7世紀前半」=正統カリフ時代
「11世紀後半」=後ウマイヤ朝ファーティマ朝アッバース朝

これで1つ目の相違点は見つかりますね。
カリフの相違点を3つ整理すると、次のようになります。

 

相違点❶
【7c前半】1人
【11c後半】複数
正統カリフ時代はカリフが1人でしたが、11世紀後半には王朝が乱立して、カリフが複数人登場しました。

相違点❷
【7c前半】選挙制
【11c後半】世襲制
→7c前半は選挙で正しく選ばれた「正統」カリフでしたが、11c後半には世襲制になります。

相違点❸
【7c前半】政治的実権を持つ
【11c後半】政治的実権を持たない
正統カリフ時代のカリフは政治的実権を持っていましたが、11c後半になるとセルジューク朝の「スルタン」に実権を奪われ、カリフは神権的・宗教的な権威のみを持つようになります。 

 


これらをまとめると、解答例は以下のようになります。 

7世紀前半のカリフは選挙で選ばれたのに対し、11世紀後半は世襲制であった。7世紀前半は単一の存在であったが、11世紀後半には複数のカリフが存在した。7世紀前半には政治的実権を有していたが、11世紀後半にはセルジューク朝に政治的実権を奪われた。

 

今回はここまで。