ケン・リュウ『紙の動物園』
「こんなSFもあるのか!」
そう思わせてくれた一冊でした。
今回はケン・リュウの『紙の動物園』を紹介します。
01.ざっくりどんな話?
短編SF集です。
表題作「紙の動物園」は、ちょっと不思議なお話です。
いつも泣いてばかりの主人公の男の子のために、お母さんが「折り紙」で動物を作ってくれます。
するとどうでしょう?
折り紙で作られた虎や水牛が動き出すのです。
それが好きだった男の子は、折り紙の動物たちといつも一緒に遊んでいました。
でも、男の子の家族構成には、ある秘密があったのです。
いつしか男の子は折り紙の動物たちを遠ざけ、遊ばなくなってしまいます。
しかしあることがきっかけで男の子の前に再び紙の動物が現れて—————
02.読後の感想
この本を読んだ感想は、
「こんなSFもあるんだ」
というものです。
具体的には、「東洋思想のSF」です。
ふつう、「SF」というと、その言葉の通り「サイエンス」のフィクションを表します。
タイムスリップとか、パラレルワールドの類です。
……でもよく考えてみると、それらはみな「西洋の」「サイエンス」をモチーフにしているのです。
でも、この本のお話では、それとは違った、「東洋思想」がモチーフにされているのです。
それゆえに、どこか新鮮な、どこか不思議な感じが増しているのかな、と思いました。
(もちろんゴリゴリの「SF」のお話も含まれています!)
03.おわりに
この本の私なりの評価は、
読みやすさ……………★★★★★
ストーリー……………★★★★★
面白さ…………………★★★★★
総合……………………★★★★★
こんな感じです。
それではこの辺で。失礼します。