フィリップ・k・ディック『高い城の男』
「もしも日本が第二次世界大戦に勝っていたら?」
そんなことを考えたことがありますか?
そんな世界を描いた小説があるんです。
今回は
フィリップ・K・ディックの『高い城の男』を紹介します。
01.ざっくりどんな話?
「枢軸国側が第二次世界大戦に勝った世界」を描いたものです。
つまり、アメリカが負けて、日本が勝った世界のお話です。
冒頭からいきなりアメリカ人が日本人にヘコヘコ頭を下げるシーンが出てきます。
この世界では日本人がアメリカ人を支配するのが「常識」なのです。
……そんな世界にある男の噂が広がります。
その男はある「本」を書いているのだそう。
その本とは、、、、。
「もしも連合国側が第二次世界大戦に勝っていたら?」
というテーマの本なのです。
そして人々は「(日本側が勝ったという)現実」と反対の世界に興味を惹かれていきますーーー
02.読後の感想
この本の感想は、
「設定がメチャクチャ面白い」
というものです。
この作品は「メタフィクション」という構造で書かれています。
つまり、「フィクション」であるこの『高い城の男』という本の中で、「フィクション」を語っているのです。
でも『高い城の男』の設定では、日本側が勝った。
でも『高い城の男』の中の「本」では、アメリカ側が勝った。
つまり、『高い城の男』の中の「本」の世界は、私たちの「現実」と同じなのです。
作中の人々の反応を、そのまま「現実の」私たちに重ねることができるかもしれないーーー。
そんな示唆的な小説でした。
03.おわりに
この本の私なりの評価は、
読みやすさ………★★★☆☆
ストーリー………★★★★★
面白さ……………★★★★★
総合………………★★★★★
という感じです。
それではこの辺で。失礼します。