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【世界史論述】中国王朝の2つの「死亡フラグ」

今回考える問題はコチラ。

「なぜ中国では王朝の盛衰が繰り返されたのか。滅亡の原因の共通点を挙げながら論述せよ。」(150文字程度)

そもそも滅亡の原因に共通点なんてあるの!?と思う人もいるかもしれません。
実は中国の歴代王朝には、滅亡する原因となる「2つの死亡フラグ」があるのです。
一体なんでしょうか?

 

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んー。難しいですね。
これは、「3つのC」のうち、

「Causal relationship」(因果関係)

「Contrast」(対比)
を問う問題です。
 

答えは、

①皇帝が無能である

②反乱や侵略が起こる

です。

 

まず、中国は「人」によって治められてきた地域です。
「宗教」によって国を治めてきたイスラム圏と「対比する」と、中国は「人」がキーワードになることがわかります。
「皇帝」という一人の人間が広大な国を治めてきたのです。
つまり、つきつめると王朝が滅亡する「原因」は、

「皇帝が無能だから」

であり、これはどの王朝にも「共通」すること言えるでしょう。
また、中国は歴史上、「統一」と「分裂」を繰り返してきました。
つまり、宗教反乱が起きたり、異民族の侵略が起こると、ほぼ必ず王朝は滅亡します。

実際、主な歴代王朝の滅亡原因は、次のようにまとめられます。

 

殷:桀王の政治①

周:紂王の政治①

秦:二世皇帝の政治①

前漢:王莽の簒奪②

後漢黄巾の乱

隋:煬帝の政治①

唐:黄巣の乱

北宋:靖康の変②

南宋フビライの侵略②

元:紅巾の乱②

明:李自成の乱②

清:辛亥革命

 

綺麗に①(皇帝が無能である)と②(反乱や侵略が起こる)に分かれますね。

つまり、中国王朝の変遷を問われたら、上の二つを絡めて論述すればOKです。
解答例は以下のようになります。

 

滅亡の原因としては大きく二つの共通点がある。一つ目は皇帝の権力が不十分であること、二つ目は反乱や侵略が起こることである。歴史上、中国は皇帝の絶大な権力をもって国を治めてきた。ゆえに、皇帝の悪政や宗教反乱、異民族の侵入により皇帝の支配力が低下することが、直接王朝の滅亡の原因となった。


今日はここまで。